・「切れ味バツグン」
I・W・G・Pの切れ味バツグンの文章力を使って、ひとつの物語を10枚の原稿用紙に表して集めたのが一冊の本になる。スッキリと読めてちょっと心をくすぐる物語がとても面白い。
直木賞受賞後の作品を読んでみても、どうしても忙しさからかもしくは量産体制に入ってしまったからだろうか、物語の輝きが個人的にはくすんでいたように思えたのだがこのショートショートで久しぶりに石田衣良らしさを感じた
・「作者の心が垣間見られる一冊」
いつもと違う石田衣良が見られます。仕事に恋に。短いショートストーリーなので読みやすくて手にとっていただきたいこの一冊。何かが変わります。
・「少しだけ、手の内覗けます。」
個人的に、作家と作品とを同列に結びつけて論じる事は、不幸にして面白くない(付言するならば、失礼な)読み方だと思っている。 けれど、氏の作品を読んでいると(但し、これまた個人的に、「池袋ウエストゲートパーク」だけは別格)、どうしてもテレビで目にするコメンテーターとしての顔が浮かんできてしまう。 澱みなく、そつがなく、綺麗にまとまった、ささやかな社会批判も加えた、優等生的それらのコメント。 頭の良い方なのだろうとは思う。しかし、危惧していた。それは、一言で述べるなら「この人には、伝えたい事なんて何もないんじゃないのか?」という事だ。で、この掌編集の話になる訳だが、これまた一言で述べるなら、「僕のそんな疑問に答えてくれた本」という事になる。どんなに軽々とやっているように見えても、様々な思惑(思いつき)、産みの苦しみが作り手にはあって、意図したように出来上がったり、思いがけない結末を迎えたり、作者自身にも読み切れない部分がある、といったような当たり前の事。 あれですよ、水鳥が一見優雅に水面を泳いでいるようで、実は水面下で滅茶苦茶足掻きしているのに似てます。 勿論、頭の良い方だろうから、手の内全ては明かしていないだろうが、 少なくとも創造の端緒に触れられたような気にはなれます。一読み手として。 余談ですが、何気に一番感動した(というのも変な言い方ですが)のは、実は短編全てよりも、後書きでの、お亡くなりになった母親への献辞の方でした。 いつか、氏に彼女との思い出について、半自伝的なお話を書いて頂きたいです。もしかしたら、多大な苦しみとなるかもしれませんが、その話を是非とも僕は読んでみたい。 不遜にも、そう思いました。
・「イラワールドのバックボーンを垣間見れる一冊」
作家石田衣良の自由なテーマの超短編を集めた一冊。
作品のレベルとしては良いもの、普通のもの、その他のものと混在しているので総合評価としては辛くならざるおえないが、それぞれに作家の私生活がうかがえる部分が書かれているので、(特に私小説的な作品までも)イラワールドのバックボーンを垣間見れる一冊といえるでしょう。
あのパークシリーズが小説3作目にして始めて小説となったというエピソードなどが載っている最後のあとがきも含めて、作家のファンにとっては多くの興味深いネタが満載の作品です。
・「のびのびした石田衣良が、この本の中で歩いている」
小説家になるまで小説家になろうとしたいきさつ小説家になってから石田衣良が透明感溢れる文体で自身を描いた1冊もちろん小説として、身体のパーツを送りあう遠距離恋愛のカップルやら10枚の原稿用紙以上に感じる充実した短編も折りこまれなかなか重厚な1冊です。個人的には1冊の本が読み手によって変化し巡ってゆく『旅する本』が好きボロボロになるまで必要とされ、常に人に求められ、人の手に渡ってゆく本それは本が一番幸福に見えるから慈しんで読めたのかもしれない。
・「著者の新しい一面」
2年かけて小雑誌に書いた原稿用紙にして10枚ずつの掌編集で、この作者にしては唯一のものでは無いかと思います。 最初の方はまだ慣れない堅さが残ってるようなところがあるのですが、だんだん手慣れていって石田さんの新しい境地を切り開いてると思いました。 実験的な試みもあり、著者が書くことをリラックスして楽しんでいるのが感じられます。 ファンは必読でしょう
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