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▼殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫):詳細

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫)

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫)
「新潮45」編集部(編集)

▼クチコミ情報

・「【賞罰なし】の言葉の意味を実感
タイトルのつけかたがうまい。これだけで本を買う人が2割(?)は増えたはずだ。13の殺人事件をとりあげてルポルタージュでまとめているが人をあやめることが、これほど日常的に行われていることにあらためて背筋が凍る。中には逮捕されたものの証拠不十分で無罪になったケースや一度無期懲役で服役しながら後に釈放され、また殺人を起こして死刑に至ったケースもある。読み終えての正直な感想はむなしさ、やるせなさ。それぞれの犯人には、犯人なりの「殺す理由=動機」があったわけだが、それにしても被害者になった人たちと親族、友人たちの悲嘆ははかりしれない。いま、死刑制度に対して激しい議論が展開されているが、服役中に反省するのではなく、復讐への怨嗟ばかりをつのらせる殺人犯が多いことを考えると、“死刑やむなし”という思いもつのる。同時に、ここに再現されている13の殺人事件は、いずれも防犯や自己防衛といった程度で防ぎきれないという事実も横たわっている。殺人者はそこにいるのではなく、だれの中にもある「狂気」といいかえてもいい。人間の「業」について深く考えさせられる1冊。平和ボケした日本の社会への厳しすぎる警鐘と受け止めたい。

・「まさに事実は小説よりも奇なり
初めて表紙を開いてから 徹夜で一気に読んでしまった。この手の犯罪ルポタージュは他にもいくつか読んでいたが ここまでの衝撃のものは初めてだった。我々一般市民は犯罪の情報をマスコミを通したものでしか享受できない。その一方的な情報提供は受け取り側の判断を鈍らせ、ある共通認識を作ってしまうこともある。まさに犯罪は悪=犯人は悪。犯罪行為そのものに目を奪われ その裏に潜む 犯人や被害者をとりまく環境。 もちろん犯罪は悪だが 何が犯人をそうさせたか。 これを綿密に追った本書はマスコミが流した情報とは違った側面を見せてくれた。

・「内容そのものは評価できるが
 日頃、湯水のようにニュースの中でに流れては消えていく殺人事件。そこで実際に何が行われたのか、ということを知るのは、死刑制度や少年法の改正などを考える上で重要なことだと思います。頭に『猟奇』や『凶悪』の二文字がついたところで一年も経てば大抵は忘れられてしまう事件を取材して改めて掘り起こしてくれたことはとても評価できるでしょう。 が、できればライターの方には事実のみを淡々と書いて欲しかった。変に情緒的な描写が多すぎるせいで、ワイドショー的な胡散臭さが先に立ってしまう気がします。特に自殺テープの回は酷すぎる。怪談話じゃ無いんですから、不気味な音がどうのこうのなどという煽りは必要ないでしょう。

・「怖い本です
「事実は小説よりも奇為り」一読したならまず誰もがその言葉を思い浮かべるだろうと思う。事実のもつ重みと怖さがひしひしと伝わってきた。しかし犯人の心の底までは分からなかった。なるほど新聞記事では到底知ることの無かった事件の詳細、あるいは背景をある程度このノンフィクションは伝えてはいるけれど、結局のところ犯人はどんな人間なのか、何故殺したのか、到底その闇の心までは分からないということだ。あたりまえだと思う。公判事実等分かっている事実だけをもとに書けばそうなってしまうだろう。宮部みゆきの「模倣犯」がどうしてあんな大長編になったか、細部を書けば書くほど書き足りないものがでてきたからではないだろうか。小説でしか書けない事もあるのである。

この13事件、ショッキングな事件ばかりであるが、いちばん怖いのは葛飾無理心中事件の「自殺実況テープ」だろう。これは怖い。自殺直前のあの「ため息」「謎の轟音」を生で聞いたら、私も精神に変調をきたすかもしれない。

・「・・・
殺人犯、この本ではとりわけ凶悪殺人を犯した人物が取り上げられています。その内容については、本人や被害者の家族、生い立ち、犯行に至るまでの経緯など、実に「抉る」といった表現がふさわしい程、詳らかにされています。しかも、憶測を交えながら。

私は興味本位でこの本を手にしました。しかし読後、後悔にも近い、何ともすっきりしない気分になったのが正直なところです。

というのも、私の古くからの知人の親が、かつて凶悪犯罪と言われた犯罪を犯しました。当時、知人も私も学生で、同じ学校に通う仲の良い有人だった関係上、お互いの人柄をよく知る間柄でした。家庭不和の良い意味での反面教師のせいでしょうか、知人はとても人情に厚く、優しい心の持ち主でした。

多くの犯罪者の家族がそうであるように、その知人も昼夜問わずマスコミに追い掛け回され、どこで聞いたのかその知人の人柄にまで触れる記事を掲載するほどまでの事態になりました。その記事の中の知人は、到底私が知っている知人の姿とは遠くかけ離れた、実に醜悪な人物として書かれていました。

殺人を犯した本人の人権は、当然制限されるものであると私は考えます。その家族にも、家族でありながら犯罪を抑止できなかったという落ち度は少なからずあるとは思います。しかし、犯罪者本人と同様に家族までそうされるべきなのでしょうか。

その答えを私が知るのは、まだまだ先になりそうです。ただ、今言えるのは、軽い覗き気分で人を不幸にすることは自分にはできない、ということです。当然、人にはいろいろな物の見方があるはずですから、「軽い興味」とは違う動機でこの手の本を読まれる方もいらっしゃるでしょう。しかし、もしあなたが「軽い興味」でこの本を読まれるならば、興味がある人の人生を破壊することがある、ということを頭の片隅にでも置きながらお読み頂きたい、と切に望みます。

・「ワイドショー
一体誰がどの立場から書いているのかの説明もなく突然一つ目の事件が始まる。読者はどの視点に立って読めばいいのか…読んでいるうちに記者が綴っているらしい事はわかるが、事件関係者、遺族、筆者以外の記者の話しと 筆者本人の考察が混在して出てくるので、戸惑う部分も少なくない。

また、事実と推測も入り混じっている為

心して読まなければ、筆者側の指向に傾倒させられてしまうだろう。ワイドショーレベルで事件を知りたい人なら、これで十分だろうが、あまりオススメしない。

・「こ・わ・い
「自殺実況テープ」…これは怖い。なんとか最後まで読んだけど 第四部へはすぐに進めなかった。年間自殺者3万人以上の日本。皆、どんな思いで死んでいくんでしょうか。あの謎の轟音は…

・「異常な事件を忘れないで
週刊誌やテレビで取り上げられた事件の中で、なんとなく記憶に残っている事件が、いまだに未解決のままであることに驚きを隠せない。この本は、悲惨な事件は何故起きてしまったのか、事件の裏側を教えてくれるだけではなく、被害者家族の声にならない悲痛な叫びが聞こえてくる気がした。

・「無責任な話ばするな
 事件が起きたとき、一斉に報道されても、他の事件がおきたり大きな進展がないと、だんだん報道されなくなります。 「その後どうなったんだろう。」と思っていた事件について書かれていたので購入しました。 週刊誌や、新聞の興奮した報道とちがい、時間がたっているので冷静な文章で書かれています。「我々の気持ちは理解できんでしょうね。」

という遺族の言葉が強く印象に残りました。 

・「殺人を周辺から浮かび出させる恐るべき記録
 殺人、それは何故起こるべくして起こったのか。その理由は様々で、何が原因かは直接には解らないことも多い。しかしこの本は、殺人事件をその周辺から照らし合わせて、一体どんな状況であの殺人事件が起こったのかを克明に記録している。

 勿論、その状況は残酷過ぎてここでは描写できないものも多いが、この本は無名の人が突如殺人者に化してしまう恐怖を上手く伝えている。もし隣人が殺人者に化してしまうと、どうなってしまうのか。この本はそれを考えさせられる内容だと思う。 

 余談になるが、私の場合は他に「新潮45」編集部編の「死ぬための生き方」「生きるための死に方」を持っていることである。この2冊は見事な死に方を考えさせる内容であるが、一方この「殺人者はそこにいる」は、残酷な死に方を考えさせる内容である。見事な死に方と残酷な死に方、それはどう違うのか。それを考えながら読んでみる価値もあると思う。

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫)
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