・「闇はあやなし」
早くに母を亡くし、父子家庭で暮らす小学5年生の杳(はるか)と清(さや)が、父や父の妹、その他周りを人たちと関わりあいながら、成長していく。そんなありふれた日常を描いた物語です。
淡く細やかな線で描かれた少女漫画タッチの絵柄で、ありふれた日常をコメディのように面白く描き、時には詩的に飾り、はたまた児童書のような物語を展開します。また、時々見せるシリアスな場面は、ただ日常を綺麗な部分だけを切り取っているのではなく、それらを含めて日常なのだと訴えかけているようにも感じ取れます。この作品をお菓子に例えるならば、屋台で見掛けるでっかい綿菓子のように、真っ白でふんわりして、甘く心地よい味を連想させます。本作品を観る度に、屋台の綿菓子を見て声を上げて欲しがる様に、自分も童心に返ってしまうそんな心の中があったかくなります。心あったまるお話が好きな方には、お勧めの1冊です。
・「ココロに染みる…」
「春の夜の闇はあやなし梅の花 色こそみえね香やは隠るる」
・・・ 春の夜の闇は何を隠しているのだかよくわからない、 梅の花は色こそ見えないが、その香は隠れることがあるだろうか… (あやなし…理屈がつかない、筋道が通らない)
古今和歌集の中の、一歌このコミックの中でキーワードとなる歌…
夜の沈丁花を見て、ぽつりと口にしたその主人公は…小学5年生の男の子
この物語は父子家庭で生きる兄と妹の物語ですでも暗くはありません決してお涙ちょうだい的なものではないのです
淡々と過ぎて行く日常のストーリーには笑いやファンタジーのエッセンスもあります家族やお隣さんや友達とのたくさんの楽しい事もありますでもどこかに母を失った悲しみが読んで取れます
「箱があるんだ…心の中に 淋しいなとか せつないなとか 泣きそうな気持ちになるとそれを全部 箱の中に放り込んで、ぎゅっと蓋をする そうして、テレビを見て笑ったり ゲームしたり、本を読んだり 楽しい気分に集中するんだ …………
でも、本当は 箱なんてはじめから無いんだってこと 僕は知ってるんだ…」
箱は誰でも持ってると思いますでも本当は無い…そんな事…大人は皆分ってるのですでも5年生がこんな事をさらりと言う…
そういうストーリーなのです
ある場面で不覚にも、わたしは少し涙が出そうになりましたコミックを読んで…泣く?わたしが?不思議です…
このレビューのタイトル「空知らぬ雨」はこの男の子が書道で書いた言葉ですどういう意味か?……それは読んでのお楽しみです
久々に心にヒットしたコミックでしたたぶん世の中ではあまり認められないでしょうでも、わたしは認めます
心に染みる良いコミックでした
・「空の知らない水。」
少数派、なんて平気で口にしますがふつーの家庭なんて存在しないんです。 母親を亡くして父と3人暮らし(出入りする父の妹アリ)する男の子杳と妹の清。 お隣に引っ越してきたのは働くお母さんといまは主夫(どうやらわけあり)の父親を持つ佐保。 エピソードこそ違えど誰にでもあって、でもみんな忘れてしまう気持ちを思い出します。
時折杳は大人顔負けのことを口にするのですがそれは大人びているというより言葉が子供の口からこぼれる奇跡にちかいかな。
次も楽しみです。
・「2009年度、紺野キタフリークのマストアイテム!」
ファンタジーと同性愛的なモノを臭わせる危うさと儚さ、類似性から生まれる喜劇性それら全てを内包している物語であり、少年と少女の出会いとそれぞれの家族が交わる物語である。と
紺野キタがいままで通過してきた全てのエッセンスが詰まっているのが本作であり過去、現在、そして未来においても最高の漫画であると言えます。紺野キタのピークが今、この漫画が読めます。ホラ、すぐ読まないと
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