タクシードライバー コレクターズ・エディション
マーティン・スコセッシ(監督), ロバート・デ・ニーロ(俳優), シビル・シェパード(俳優), ピーター・ボイル(俳優), ジョディ・フォスター(俳優), アルバート・ブルックス(俳優)
・「GUN FIGHT」
ロバート・デ・ニーロが使用する拳銃について、密売人から4丁の拳銃を買います。一番小さく右手の袖から出すのがコルト25ACPラストで重要な働きをします。スーパーの強盗を撃つのがワルサーPPK/S 38ACP,シルバーのスナブノーズリボリバーがコルトディテクティブ38SPLのパールグリップ付き、一番でかいのがS&W M29 8 3/8INCH 44MAGでソフトポイントの弾丸に、ナイフで切れ込みを入れダムダム弾の代わりにしてます。ロバート・デ・ニーロ最高傑作ですよ。
・「俺か?俺を呼んだのか?」
何をしてもうまくいかない。何をしても評価されない。何かをしたい。何かを変えたい。そして…!自分の中で何かが変わった時、自分に向かってこのセリフ。ぐっと引き込まれる瞬間だった。俺は変わった。今の俺には引き締まった体、そして銃がある。汚れきった社会をリアルに撮影し、疲れきった人間の心の声を訴える映画。全ての事を終えた後、自分に向かって引き金を引き、死を選んだトラビス。結果オーライでも最後までうまくいかなかったトラビス。10人の人が見たら10以上の見方のできる。そんな怪作。
・「私たちはみんなタクシー・ドライバーだ!」
今まで何度観たかわかりません。観るたびに興奮するんですが、それでいて不思議なのは、主人公にどうしても感情移入できないという一点。行動のつじつまが合っていないというか、やることが唐突というか。しかしそれが多分監督の狙いでもあって、ベトナム戦争から帰還し、徐々に精神に異常を来たしつつある人間のリアルさというものなのでしょう。
行動がどんどんキレていき、暴力的にもなっていくが、頭の中にあるのは「正義」だけ。これが現代というものか?途中チョイ役で監督が登場しますが、こちらもかなりアブない奴で、実に怖いです。この映画の魅力の一つは、主人公のある種オタッキーな行為がすべて「絵」になっていること。
深夜の肉体改造・拳銃自動発射装置・鏡を前にしての戦闘訓練?等々。見せ場の「討ち入り」シーンも、美しくすらある。この映画に影響された人々が多いのも頷けます。他にタランティーノ作品の常連ハーヴェイ・カイテルの若いチンピラぶりや、ジョディ・フォスターの可憐で子ども子どもした娼婦ぶりなど
も「レザボア・ドッグズ」「羊たちの沈黙」を経過した今の目で見ればさらに興味深いはず。
・「時代を飛び越えた、真に恐ろしい作品」
中学生の頃に今はなき「月曜ロードショー」で初めて見て、意味不明で、荻昌弘さんの解説が更に意味不明で、なのにどうしても忘れられない作品として心に残り続けてきました。
それから何度も見ました。今では「この作品こそ時代を飛び越えたマスターピースであり、そして他人に勧めることが出来ない真に恐ろしい作品だ」と確信します。自閉し、人生と自尊心の一発逆転を試み、そしてテロリストになっていく人間の心理をこれほどまでにリアルに描いた作品はありません。世に受け入れられられないことによる底知れぬルサンチマン。N.Y.だけでなく、この日本にも無数のトラビスが街を徘徊している時代になりました。私自身もまたトラビス的な一面を自分の中に見いださざるを得ません。本当に恐ろしい作品です。
トラビスは女性と生身の関係が持てません。ベッツィとデートしても成人映画に行き、アイリスを買っても説教しか出来ず、そしてTVの中のラブシーンを恨めしげに傍観するしかないのです。まるでビデオで全ての性欲を処理しようとする現代の男性像を先見しているかのようです。そして肉体改造、微細に渡る日記の独白…。彼のルサンチマンのはけ口は政治家やもてる男などの成功者に向けられ、そしてマグナムとなって発射されるのです。
スコセッシ監督演じる乗客が重要な役割を担いますが、監督自身虚弱体質のため学生時代疎外感を抱いていた若者でした。しかし彼は映画監督として自分自身思っていなかった成功をおさめることになります。トラビスが何故か英雄となる結末はそこから来ているのだと思います。なお、スコセッシ監督の『キング・オブ・コメディ』も全く同じ構造を持っており、もう一つの『タクシードライバー』となっております。必見です。語るべき事はまだまだ尽きませんが、今回はここまで。
・「難しいけどなんか深い」
総合的に観て、とても深い作品だと思う。アメリカに根付く黒人やイタリア人に対する差別が垣間見られたり。ただただ、主人公の狂気や使命感から来る過激な行動だけに着目しないで、その裏にあるアメリカ社会の姿にも注目したい。
・「リアリズム」
リアリズム映画の傑作と言えよう。全編通してリアルな映像があり、見る人をドキュメンタリーフィルムを見ているような気にさせる。それゆえ極めて危険な映画であり、この映画がレーガン狙撃事件を引き起こしたのは有名である。デニーロの演技だけを注目する人が多数だが彼以外の有名無名問わず俳優陣の演技は絶妙なものとなっていて、例えば場末のカフェでのタクシー仲間と会話、先輩運転手の説教など、これほどリアルな映像は映画史全体を見ても極めて稀であり、特にこれがハリウッド映画というのがまた奇跡を思わせる。スコセッシの演出の賜物であり、ハリウッド映画の中で唯一の才能と言わせていただこう。ぽん引きヤクザや少女娼婦、銃の売人とのやりとり、選挙事務所、改造銃の製造場面等あらゆる場面が傑作映像となっています。
・「今こそ、この映画をリアルに見られる時代」
以前から、この映画が好きだという人は多い。でもたいていは映画の独特の雰囲気やデニーロの演技に対する評価だ。本当に映画のテーマや主人公トラビスの気持ちに共感できる人間は少なかったのではないか。無限に繰り返される無意味で退屈で孤独な日々。政治家が何を演説しようと自分の暮らしは変わらない。そういったフラストレーションが爆発して狂気に走る。30年前のNYのローワークラスの話が、今の日本とシンクロする。主人公に感情移入できない人は、ある意味幸せな人に違いない。他のレビューにもあるように、負け組か負け組だった人間にしか感情移入はできないだろうから。
・「世の中腐ってるぜ!!!」
この映画を見る前にニューヨークに行ったのですが70年代のニューヨークの不陰気を感じた映画でした。とにかく気に入り一日3回ぐらい見てました。銃を買うシーンとか筋トレそして最後のあのシーンとかを何回も見ました。友人や知人に貸して回ったりして一時期かなりトラヴィスになってました。とにかく買う事をお勧めしますがこのジャケットが気に入りませんね。
・「悪夢」
私はよくおかしな夢を見る子どもだった。夢から覚めるとはきけとめまいがした。とくに昼寝の後がひどかった。世界を自分のフレームにいれ直すのに時間が掛った。この映画をみるとあの感覚がよみがえる。 トラヴィスは悪夢的意識世界に閉じ込められた男のようだ。その意識のレンズを通してみた街や人は歪んでいる。よって彼が結ぶ人間関係も歪まざるを得ない。 この映画は妙に静かだ。血なまぐさいシーンにさえ、奇妙な静謐感がある。私の見た夢にも音はさしてなかったことを思い出す・・・。 ラストシーンのトラヴィス。彼はいつか夢から覚醒するのだろうか。それともこれはまた新たな悪夢の始まりなのか。 スコセッシ34歳・デニーロ33歳・カイテル37歳・フォスター14歳。若き日のドリームチ―ムが放った気の遠くなるような傑作。
・「長距離ランナーの孤独」
「長距離ランナーの孤独」という映画があった。従順に走り続けたランナーが、走らされている矛盾に気付いた時、突如立ち止まりその社会に向かって冷笑を浮かべる。という内容だった。「タクシードライバー」は現在の長距離ランナーの孤独を描いた映画だと思う。
主人公トラビスは、大統領候補に「この街を水洗トイレのように洗い流して欲しい」と言うが実際そうしたのは、自らが握った銃だった。しかし闇を撃っても心の孤独は止みはしない。
静と動、愛と暴力、優しさと冷たさ、・・・。 その振幅が大きくなり、やがて極限を超える時、トラビスの心は爆発する。 けだるいアルトサックスの音をバックに、夜の街を流す車窓から見る雨に煙るネオンは、 まるでサム・フランシスのにじみの絵画のようだ。一変して、殺戮現場の壁に飛び散った 血飛沫は、まるでジャクソン・ポロックによるアクションペインティングだ。
皮肉にも、N.Y.が最もN.Y.らしい時代だった。 9.11以降、もはやこのような「内憂」だけを描けなくなった。 映画も変わった。N.Y.を疾走するのは、リュック・ベッソンの「TAXI」の世界なのだ。
特典映像の中で、「家庭に戻ったアイリスはどうなったか?」という質問にJ・フォスターは 「何も変わらないはず」と答えたと言う。しかしその後、彼女自身も2つのオスカー獲得と エール大学卒という大きな変化を遂げるのである。
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