● 好きなアニメ映画
・「映像は『さすが!』ですが・・・」
『AKIRA』『老人Z』『MEMORIES』も観ました。大友作品の漫画も結構読んでいて、いつもその才能に感嘆しています。当然この映画も凄〜く期待して劇場に足を運びましたが、残念ながら最後まで盛り上がりに欠ける感じだったとしか言えません。映像は多分凄いクオリティなんだと思いますが、過去の作品は演出やストーリーまで含めて、全ての質が高かったただけに、見所が映像しかない今作品には「がっかり感」がどうしても残ってしまいました。来春大友実写映画第3弾「蟲士」も公開される様ですが、スチームボーイの出来からして、観に行くべきか正直迷います。ドリームワークスからもアニメ作品制作のオファーが来ている程の、日本が誇る異才だけに、トータルバランスで唸らせて欲しいですね。
・「楽しい違和感」
大友克洋といえば、否が応でも「AKIRA」「童夢」と頭に浮かぶのはファンなら仕方のないところでしょう。今作ではまさにそのファンの期待を見事に裏切っている作品であります。そしてそれは良い意味で。 これは間違いなく大友作品。根底としての科学と人間をテーマに、独自のユーモア性と、緻密に計算された動いていると実感できるアニメーション。そしてラストの壮大な崩壊の大カタルシスは大友克洋さんならではの世界。同じようなものばかりを作るよりは、このようにいろんな世界を描く大友ワールドもとても魅力的に感じます。 へんに構えて見るより、ここは素直に鑑賞して、自分たちなりに大友さんのメッセージを受け止める見方のほうが良いと思いますよ。
・「『AKIRA』を期待してはいけない」
絵の美しさは素晴らしい。暗めのタッチは好き嫌い分かれるだろうが、19世紀をよく表している。現段階におけるアニメ映画の最高峰と言ってもいいかもしれない。ジャンルとしてはスチームパンクになるのだが、『天空の城ラピュタ』と結びつけてしまうのは、いささか安易という気がする。というのも作中に「科学とは何の為にあるのか」という命題が描かれてはいるが、視聴者にわかりやすく「○○の方が大事だよ」と訴えているわけでも、「あなたならどう思う?」と、問いかけているわけでもない。登場人物達は善悪ハッキリと分かれているわけではなく、それぞれの信念(ないし執念)に基づいて行動する様を、観客に「ただ見せている」。「大友克洋=AKIRA」という等式が頭の中で成り立っている人は、大いに失望させられるだろう。また、声優の重要性を痛切に感じる。主要キャラはを俳優達が担当しているのだが、その多くは喋りがもっさりしていて、違和感が拭えない。緊迫すべき場面で妙にのんびりした声を聞くと、苛々させられる。もっともそれは声優のせいだけではなく、やや緊張感に欠ける展開にも原因があるだろう。ストーリーの完成度はお世辞にも高いとは言えない。総合的な評価は、観なくても損はしない作品。
・「確信犯的な肩すかし感」
病的なまでに描き込まれた背景やメカとは相反するように、なんかスルッと終わってしまう内容がいかにも大友作品。昔の大友漫画を見ているようでなんだか懐かしい。
騒々しくてバカバカしい大友ワールド全開です。
事の発端は主人公レイのおじいちゃんが発明した超高圧スチームを封じ込めたスチームボールなんですが、それを作ったおじいちゃんと、お父さんの科学に対する姿勢の違いによる対立から始まってしまうドタバタは、オハラ財団とイギリス軍を巻き込んで壮絶な戦闘に発展し、終いにはロンドンの町が壊滅的打撃を受けてしまう…と、坂道を転がり落ちるようにどこまでも傍迷惑で騒々しい展開。
もう大好きこーゆーノリ。
最初から最後まで蒸気メカがガチャガチャ暴れまくるのも見てるだけで楽しく、特にスチーム城が暴れ回るクライマックスは圧巻です。スチーム城の真の姿もなかなか呆気にとられます。
そして、そこかしこにこっそり込められた皮肉はなかなか深い。
王道冒険活劇と見せかけといてなかなかひねくれたことをやってくれます大友克洋。
感動的なストーリーやどっしり重いテーマを期待するとかなり肩すかしをくらうかもしれません。とりあえずは何も考えず、ただただガチャガチャ動く蒸気メカと産業革命期の空想科学な雰囲気、そして終止ドタバタな展開を楽しむのが正しい鑑賞法だと言えましょう。
深い話は後でゆっくり…てなとこですか。
・「気軽な作品」
スチームボーイは今までの大友監督の作品の中でもっとも単純で本当に気軽に楽しめる作品だと思います。 AKIRAを初めて見たとき(漫画を読んでなくて)はもちろんおもしろかったけどやっぱりわかりにくいところが所々あったかんじだったがスチームボーイは何も知らなくても一回で理解が可能だと思います。アニメとかに興味があまりない人でも十分楽しめる(私のアニメに興味がない友人がそういっていました。)映画だと思います。
・「まあよかったです」
AKIRAからはほんとに想像もできないアニメでした。AKIRAが青年向けだとしたらこれは少年向けですね。AKIRAが大好きな人とかはスチームボーイは嫌いな人が多いかも。僕自身は普通に楽しめました。何も考えずホケーっと見てられました。(僕の場合はです)AKIRAの話になってしまいますが、AKIRAはアニメだけでなく漫画を読んでしかもその漫画を3回以上繰り返し読むとだんだんわかってくるような少し難しいところもあるストーリーなのですが、スチームボーイは一回ですっとすべて簡単にわかるので最近疲れ気味だった僕にはちょうどいい感じでした。どっちかというと宮崎アニメに近い印象も受けました。
・「声優と画像の暗さ」
とにかく声優の下手さ加減に呆れる。プロの声優ではなく、俳優を起用することはジブリ等でもよくあることだが、この作品では台詞の聴き取りにくさが際立っている。特に主人公レイの感情の起伏による声のトーンの違いや、お爺ちゃんのかつぜつの悪さが酷く、見ている上で大きなストレスになる。そしてスチーム城内部の画像の暗さ。背景が暗く同系色ばかりが映し出され、のせっかくの描きこまれたアニメーションが台無しになってしまっている。ここは雰囲気やリアリティ云々ではなく、観客に単純に楽しんでもらえるような作りにしてもよかったと思う。
・「9年あれば・・・」
9年あれば人は何ができるのかを考えさせてくれた作品。もちろん私に9年与えられたってこんな緻密で精密なアニメを作れたりはしない。その意味では天才の作品に一観客が何やらムニャムニャ言っている程度に思って頂いて構わない。黒澤監督よろしく好みの形の雲を待っていたり、湯飲みに茶渋を付けるためにお茶を注ぎつづけるくらいなら9年は掛からなかったのだろうが。いかんせん絵というモノは描き込みだしたら際限が無く、多少なりとも絵心のある方ならお解りだろうが「どこで止めるか」妥協との格闘の作業でもある。「ハイウェイスター」や「さよならニッポン」を描いていた頃の締め切りに追われベタやトーンがはみ出した、枠線にホワイト修正忘れすぎであるにもかかわらず躍動感にあふれる作品が素晴らしく、緻密すぎる現在の作者のアニメ作品が駄目などと論じるつもりは全くない。確かに10年ひと昔と言われるとおり制作終了までにモチーフが古くなってしまったのは事実だと思う。「サクラ大戦」をはじめ蒸気機関が異常な発達を遂げたレトロ・フューチャーものとでも呼ぶべき作品群がこの作品の完成以前に多数発表されてしまったのも評価の低さに影響しているのだろう。物語性が弱いという指摘もあるが大友作品は常に一歩引いた視点で語られているのであり、今までにも安易に感情移入できる大友作品など私は知らない。作者の醒めた視点は画面構成でも判るとおり基本はロングで、どこぞの感動アニメのようにバストアップの連続で感情を吐露させたりはしない。むしろ今回の「スチームボーイ」の古典的な物語性に大友さんも丸くなったなと感じたほどだ。20年前の「AKIRA」と比べるのは自由だが、作品の変化は作者の進化であり次の9年への期待でもある。作者の次回作、観るまで死ねません。
・「名作」
美少年・美少女が多数登場し、内容ペラペラ、製作側は同人誌の多さを人気のバロメーターとし、いかにオタク向け(性的な部分を刺激)のアニメを作るかに躍起になってる昨今。 この作品はアニメの王道を取り戻した。
科学者のエゴ・大人の汚さを子供の純粋な倫理感で受け止め、悩み、決断する少年少女。この中核がしっかり構築されており、小学校高学年から高校生に是非見て欲しい作品。 スカーレットが悩んでたかは微妙ですが(笑)
画像クオリティが緻密の一言。作画・背景・CGが現在のアニメーションの最高レベルで特に後半の迫力溢れるシーンは劇場で見たいところ。
宮崎駿御大がこの手の冒険物語から離れて、小難しい作品ばかり作るようになった今、貴重な作品です。地味な印象が強いのが惜しい。
・「すごく凝っているのだが・・・」
まず映像としては1つ1つのメカや建物などがかなり凝っていて独創的であり、「うおー、これは・・・」とおどろかされる。色合いに薄くカーキ色っぽい統一性があるのもなかなかいい雰囲気を醸し出している。音楽も迫力があってしっかり作ってある。そして、映画全体の趣旨というか、いわゆる「作者のいいたいこと」はおそらくは「科学の進歩は人間にとって是か非か。」ということだろうし、かなり明確でわかりやすい。蒸気の力であそこまでできたらすごいな~と夢を持たされるのもよい。(バックトゥーザフューチャー3みたいですね。) ただ、ストーリーの展開が私に言わせればかなり単純で、映像と音楽に凝った割には薄っぺらな気がする。見ていて先の読めない意外性のある展開というものがあまりないと思った。その辺りがいまいち「おもしろかった」と強く感じられない理由だろうか。また、声優さんもまあまあがんばっていると思うが、ちょっとわざとらしい話し方(妙に芝居がかっている)の人もいたと思う。ということで私としては本当は☆3つ半です。
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