オペラハット [DVD]
フランク・キャプラ(監督), ゲイリー・クーパー(俳優), ジーン・アーサー(俳優), ダグラス・ダンブリル(俳優)
・「Deeds政策発表。」
F.キャプラ監督が贈る『スミス都へ行く』(1939年)、『群衆』(1941年)と並ぶユーモアを交えた社会派ドラマ。3作品共通しているのは主人公が田舎の純粋な青年、そして結果的に一番の援護者になってくれるヒロインという図式です。前者は上院議員(ジェームズ・スチュワート)と秘書(ジーン・アーサー)、後者は群衆に偶像化された偽りのヒーロー(ゲーリー・クーパー)と新聞記者(バーバラ・スタンウィック)です。 本作品(1936年)では、莫大な遺産を相続した青年(ゲーリークーパー)と新聞記者(ジーン・アーサー)です。3作品は、物語の内容も人物キャラクターも後に制作された作品になるほど作り込まれています。従って、本作品は、後発の作品に比べるとやや見劣りするのではないかと思います。主人公である青年は「田舎の純粋な青年」という事なのですが、最初から人を見抜く洞察力に優れており、都会の人間とも堂々と亘りあっています。純真無垢と思えず、観る側するとキャラとしていま一つ魅力に欠けると思います。
・「審問開始」
突然、莫大な財産を相続し、ブラス・バンドでチューバを吹くのが趣味のディーズ(ゲイリー・クーパー)は、一躍、時の人となる。女性記者(ジーン・アーサー)は、特ダネを得ようと、彼に接近するが、ディーズは疑わず、プロポーズをする始末。さらに、ディーズは、全財産を失業農夫たちに分けあたえる計画をたてる。しかし、異議が申し立てられる。ディーズに行為能力がない、というのだ。さあ、審問が開始した。 当初、いかにも都会のすれっからしの新聞記者だったジーン・アーサーは、次第に、ゲイリー・クーパーの人の良さに飲み込まれていき、最後には、強力な援護者となる。その絶妙な心境の変化を、美しいジーン・アーサーが、見事に演じる。 この映画は、同じくフランク・キャプラの「スミス都へ行く(ジェームス・スチュワート、ジーン・アーサー、1939年)」と似ている。ジーン・アーサーが、お人よしの主人公をからかいながら、影響をうけていくところ。「審問」、「国会」がメインの舞台となるところ。ジーン・アーサーが味方についたら、俄然、ゲイリー・クーパーもジェームス・スチュワートも張り切って、強くなるところ。なかなか、敵が手ごわく、簡単にはジーン・アーサー達の思い通りにいかないところ、等。 そして、両者とも、抜群に面白い。パターンは読めるのだが、それを上回るパワー、説得力がある。 1934年「或る夜の出来事」に続き、1936年アカデミー賞監督賞受賞。フランク・キャプラの名声を決定的なものにした。
・「楽しい社会派ヒューマニズム映画の傑作。」
「スミス、都へ行く」の姉妹編とも言える作品。フランク・キャプラ監督というのは正統的アメリカン・ヒューマニズム映画のシンボルのような人ですね。ジェームス・スチュアートは上院議員に祭り上げられますが、ゲーリー・クーパーも田舎の音楽好きな普通の青年だったのに、大富豪の叔父の突然の死で2億ドル(いまなら少なくとも数十億ドルでしょう)もの遺産を相続してしまう。純朴な田舎者と侮り、その遺産に群がる金の亡者、この成り金青年を笑いものにしようとスキャンダル記事をでっち上げる新聞社、その記者がジーン・アーサー。この作品でもシットリとした美しさを見せてくれる。今回もゲーリークーパー扮する青年に惹かれ、惚れてしまう。しかし、スキャンダル記事を書いたのがとうのジーン・アーサーと知り、人間不信に陥ってしまう。あげく、財産の管理能力なしと訴えられる。この映画真面目さの中にも、ユーモアに溢れており、裁判も面白い展開をする。大恐慌直後の社会状況を反映して、ニューディール政策ばりの事業を構想するなど当時の民衆心理に気を配った痛快な物語となっている。
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